べっ甲の話

磯貝一 鼈甲を使用した簪(かんざし)や櫛(くし)、日本に古くから装飾品として利用されてきた。特に女性の黒髪になじむ色合いの「あめ色」と言われる鼈甲色。あめ色と引用されるが互いにどちらが先かは判らない起源の謎も多く表現においてよく使われる。透き通るようなとろみを感じる奥深い色合い、このように色から連想される鼈甲。材料となるのは「玳瑁」と言う海亀の種類で、その甲羅の部分が俗に言われる「鼈甲」の素材部分に当たる。

甲羅は背の部分から中央に5枚、両側面に4枚、またその側面に幾つかの小片で甲羅全体が形成されている。その、甲羅の1辺ごとに先の色合いの部分が混ざり合うように自然の配色がなされている。ここからが、本題の普段見かける鼈甲でできた工芸品に観る色合いの極め、あめ色、琥珀色と言われる艶やかな色彩、明度であり、歴史と文化の継承で今に息づく鼈甲工芸職人の手による加工した作品、製品であります。

貴重な素材を丁寧に選別し「布あわせ」と言う重要な作業がある。素材(甲羅)の持つ互いの模様を合わせ、厚みや大きさを整えていきます。熱を加え圧力をかけると甲羅の成分から膠質が溶け出し接着剤の役目をして互いが溶けあい一体となります。この技術には長年の経験と勘が必要になるのです。小さな小片一つでも大切にし、限られた資材の活用と新しい作品作り、また、この伝統工芸の継承を次の時代に伝えることが役目と感じております。

現在、工房では初代から継承を受けた二代目の私と三代目後継者として長男、英之が毎日、就業に励んでおります。新しい感性の作品創作、古くから伝わる伝統工芸との融合、長い歴史の中、継承されてきた伝統技術。鼈甲に限らずより多くの伝統工芸に携わる方たちの技術を絶えさせないよう尽くせればと願い感じ毎日、創作に励んでおります。

●鼈甲製品について
鼈甲製品の原材料である「タイマイ」は、絶滅のおそれのある野生動物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)の遵守にともない、留保は1994年7月まで撤回し、実質的な輸入は1992年12月までと決定しました。
しかし、伝統工芸の存続をはかるため、国の援助を得て資源調査を実施し、再輸入の活路を拓(ひら)く努力は行ってまいります。もちろん、現在および今後の鼈甲製品は、正規の手続きを経て輸入された材料によって作られたものであり、鼈甲製品の製造・販売は、これからも続けて行くことができます。

鼈甲製品は東京都から指定を受けた伝統工芸品の一つです。自然と伝統文化の共存をめざし、限られた貴重な資源を大切にして、伝統工芸を次代に引き継いでいくと同時に、美しい鼈甲製品を世に送り出す努力を行っています。
※鼈甲製品は有名百貨店・専門店にてお求めください。

 

 

〜 親子三代の絆 〜
初代庫太(甲心)、二代目一(甲心)、三代目英之へと受け継がれる本家磯貝ベッ甲の伝統工芸細工の世界をぜひご覧下さい。
(プロモーションは約9分です)

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東京都伝統工芸品
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